人をカテゴライズするのは失礼千万な話ですが、
職務調査の後、管理職層の再評価を行う際、
無意識のうちになぞっている組織論があります。
ゼークトの組織論。wikiより。
軍人は4つに分類される。
有能な怠け者。これは前線指揮官に向いている。
理由は主に二通りあり、一つは怠け者であるために部下の力を遺憾なく発揮させるため。そして、どうすれば自分が、さらには部隊が楽に勝利できるかを考えるためである。
有能な働き者。これは参謀に向いている。
理由は、勤勉であるために自ら考え、また実行しようとするので、部下を率いるよりは参謀として司令官を補佐する方がよいからである。また、あらゆる下準備を施すためでもある。
無能な怠け者。これは総司令官または連絡将校に向いている、もしくは下級兵士。
理由は自ら考え動こうとしないので参謀や上官の命令どおりに動くためである。
無能な働き者。これは処刑するしかない。
理由は働き者ではあるが、無能であるために間違いに気づかず進んで実行していこうとし、さらなる間違いを引き起こすため。
ときどき、日常的なご相談対応業務で、
無能な怠け者、あるいは有能な怠け者を解雇したいというご希望を耳にします。
ナマケモノ族。 確かに傍目から見ても気持ちいい種族ではないし、
天下の宝刀とも言うべきご発言「周りに悪影響を及ぼす」が振り下ろされると
なんか正しい気もしてきますね。
多くの経営者は、自分がナマケモノかどうかはさておき、ナマケモノの部下を嫌います。
しかしこのケース、たいていの場合、
誰がナマケモノを放置しているのかを追求すべきと思います。
つまり、管理能力不足。あるいは適材適所の未徹底。
何をどうしてもナマケモノのままなら最終的な決断が必要ですが、
まずは直属上司と作戦会議をもつことが優先されるべきでしょう。
逆に、本当に解雇を考えなければならないのは、無能な働き者です。
効率が悪い。無駄な事故を巻き起こす。空回る。
しかし、働き者はカワイイんですよ、部下としては。
しかもお人柄がとても良いケースが多い。
で、「あいつはがんばってるから。やる気はあるから」と抱え続ける。
実はこっちのほうが周囲への悪影響が大きい。
経営者がもっとも禁忌としなければならないことは、
可愛さのあまり、無能な働き者を管理職に昇格させることです。
これは組織の崩壊を意味します。
もし、すでに無能な働き者の管理職に任せてしまっている部署があるとしたら、
その部署は解体するしか根本的な解決策がないかもしれません。
この組織論のお話、もすこし続きます。