【運用の小ネタ】安定的な投資信託の意味、わかってる?
【運用の小ネタ】シリーズでは、確定拠出年金で商品を選ぶとき、知っておきたい運用の基礎知識を短いコラムでお話しています。
値動きが大きい投資信託はコワい?
確定拠出年金の導入教育や継続教育をやっていると、
投資信託はやってみたいけど値動きが大きいのはコワいー
という声を聞きます。
そういう方にとって、株はジェットコースターのように値動きする、
とっても心配なものに見えるんでしょうね。
この背景には、制度開始のころに厚生労働省が出してたガイドラインの影響があります。
確定拠出年金の導入教育ってこんなカンジにしてね、という項目列挙があったのですが、
その中に
商品のリスク・リターンを理解させる
という要素がありまして。
そうなると預金よりも債券、債券よりも株式がリスクが大きいって話をせざるをえなくてですね。
なおかつ説明会の時間が限られてるもんで、
リスク = 値動き荒い = 初心者にはハードル高っ!
ていう印象を持ってしまう方が多かったんじゃないかと思います。
投資信託の中では株式投信よりは債券投信のほうが安定的・安心、というイメージが強かったかもしれません。
「安定的な投資信託」の実態は
リスクリターンの大きさでいうところの「安定的な投資信託」の実態は、
「あんまり値動きしない投資信託」ということです。
いずれは売却して利益確定するってのが投資信託運用の基本ですから、
値動きしない商品は、売り時の決断が難しいんですね。
国内債券のインデックス投信なぞがまさにソレで、
10年コツコツ買い続けて高値期に売ったって、
10%ぐらいの利益がせいぜいなんですよ。
毎月1万円拠出して年間12万円、10年間で120万円、
これが132万円になってたからって、初心者の方が
よっしゃー! 大成功! 売却ー! て、判断できるものでしょうか。
これはかなり知識と経験がないと難しい。
漠然と安定的かそうでないかの感覚で商品を選ぶのではなく
各商品の適正な利益相場を把握して購入されるべきです。
適正な利益相場は
過去の実績から試算してみました。
今回は国内株式と国内債券のインデックスをご覧いただきましょう。
毎月インデックス投信を買い続けて、各期間の高値期で売却した場合の利益率です。
数値は過去実績のものであり、時系列としては成立しない場合もあります。
また、長い期間置いておけば勝手に殖えるのではなく、投資信託は高値期に自分で売却することで利益が確定するもの。
売却を検討する際の目安としてご覧ください。
運用期間が短ければ期待できる利益も小さくなります。
株式でも1年程度で利益確定するなら10%程度が適正率。
国内債券なら1%を切ります。
あっ、高値になってきたな、そろそろ売るか? と悩み出したら
期間と照らし合わせて参考になさってください。