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長期金利の決まり方

確定拠出年金の商品を分類するとき、ついつい「元本確保型か否か」で区別してしまいがちですが、密接に影響を受ける市場や要素で商品を区分することをおすすめします。

確定拠出年金の運用商品の中で、定期預金などの元本確保型商品と日本債券の投資信託は、日本国内の金利動向の影響を色濃く受ける商品です。日本債券の投資信託を元本確保型ではないからと敬遠される方もおられますが、日本国内の金利の動きに注力する商品と考えれば、性質は同じ。
これらの商品を購入するのであれば、「金利の決まり方」を理解しましょう。

短期金利=日本の金融政策

金利には、「短期金利」と「長期金利」があります。
短期金利はその国や地方の中央銀行の金融政策によってコントロールされています。

日本国内の短期金利は、かつては中央銀行である日本銀行(以下、「日銀」)によって定められるものでした。これを政策金利といい、公定歩合が長くその代表格でした。
しかし、1994年の金利自由化を経て、2013年以降の日銀は政策金利そのものの上げ下げではなく、市場に供給される資金量によって短期金利を誘導しています。
一見わかりづらい形をとりながらも、日銀は依然として国内の短期金利に大きな影響を与えています。

日銀が市場の資金供給量を増やそうとすると、日銀は民間銀行が保有する債券を購入し、民間銀行が日銀に設置している当座預金に代金を入れます。民間銀行を通じて多くのお金が市場に出回ることになるのです。
市場ではお金を手に入れやすくなりますから、市場の資金供給量が多くなると金利は低下することになります。



長期金利=市場の判断

いっぽう長期金利は、短期金利の動向に、投資家たちの予測を加味して決定されていきます。
インフレが高まるとの予測が多くなれば長期金利は上昇しやすくなりますし、経済が高成長するとの予測が強まれば資金需要の高まりを見越して、やはり長期金利は上昇します。



投資家たちはこの予測の意思表示を、新たに発行された10年満期の国債の入札価格で行います。
今後の金利動向予測から、発行された10年国債が魅力的であると判断すれば高い価格を入札します。あまり価値がないと思えば安い価格でしか入札しません。

債券の実際の利回りは、表面利率に入札価格による損益が加えられて算出されます。
算出された新たに発行された10年満期の国債の利回り。これを私たちは「長期金利」と呼んでいます。


今の市場の判断は

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