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中古高級車の購入は節税になる?

(Q) 中古の高級車を購入すると節税になる?
少し前に今回の標題を示唆するような書籍がありましたが、果たしてこれは有効な節税策でしょうか。

(A) 購入年の税金 を減らす(節税する)という面だけに着目した場合、本当です。
その理由は、中古資産の場合耐用年数を 図1 のように見積もり計算できるからです。

図1

 ※ 中古耐用年数の計算例

乗用車
 ・法定耐用年数 : 6年(72ヶ月)
・4年(48ヶ月)落ちの中古車

 72ヶ月 - 48ヶ月 + (48ヶ月×20%) = 33.6ヶ月
33.6ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 2年(端数切り捨て)
( 計算結果が2年未満の場合は2年とする )

中古の耐用年数 2年

( 耐用年数2年の定率法償却率 100% )


このように条件によっては、中古の高級車が購入年度にほぼ100%減価償却費として経費化できるため図2のように節税になるというわけです。



 ただしアンサーのなかで「購入年の税金」とわざわざ書いたのは、新車で購入しても6年間で ほぼ全額経費化できるため 6年という期間では 節税額の優位性はなくなります。

(補足) 節税額だけでなくキャッシュフローで考えてみましょう

 節税目的だけで中古の高級車を購入するのは本当にお得なのでしょうか。

ここで、図2の場合と同条件で 税金支出と中古車両の購入・売却にのみ 着目して キャッシュフローを考えてみましょう。(図3参照)



このように、税金は低く抑えられても、資金繰りは厳しくなるため 図2とは逆に 中古高級車を購入しないケースが一番資金流出を抑えられる結果となります。

つまり、節税目的のみで必要のない中古車両を購入することは 結果として手許資金を減らすだけということになります。
ただし、必要な車両であれば中古である必要はありませんが 864万円の車両を 579万円 (図3の ① と ③ の支出合計の差額) の資金負担で 購入できる利点があります。

最後に

アンサーを正確に言い直すとすれば、以下のようになります。
臨時の収入などにより一時的に大きな利益が生じる場合などに「必要な資産」である中古の車両等を購入することは税金対策としても有効ですが、節税目的のみで必要のない中古高級車を購入することは資金繰りのうえからも考えものです。


文 税理士・CFP(R) 西木敏明


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