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「事業承継税制の特例制度」について

「特例制度」の適用期限と前提

<<前提>>
「特例制度」を受けるためには2018年4月1日から2023年3月31日までに会社の後継者や経営見通しを記載した「特例承継計画」を策定し、認定経営革新等支援機関(税理士、商工会、商工会議所等)の所見を記載のうえ都道府県知事に提出する必要があります
(2023年3月31日までの贈与・相続については贈与・相続後に提出することも可能です)。

<<「特例制度」の適用期限>>
2018年1月1日から2027年12月31日までの10年間に非上場会社株式等の贈与・相続に適用される時限措置となっています。

「特例制度」の適用を受けた場合、5年間は毎年定められた期限までに所轄税務署と都道府県に届出書等を提出する必要があります。
5年経過後も3年経過ごとに所轄税務署に届出書を提出する必要があります。

「特例制度」を適用できる中小企業とは

 中小企業者である「特例会社」は、「特例制度」の対象となりますが、風俗営業会社や「資産管理型会社」は対象外となります。
不動産賃貸業をメインとしている会社はこの「資産管理型会社」に該当する可能性が高いので注意が必要です。
しかし、この場合でも、次の3つの事業実態要件を満たしている場合には「特例制度」を適用することができます。

① 3年以上継続して事業活動(商品販売・役務の提供(ビル・アパートの貸付管理も含む))を行っていること
② 常勤の従業員(特例後継者や生計一親族以外の者)が5名以上であること
③ 事務所、店舗、工場などの固定施設を所有または賃貸していること

さいごに

 「特例制度」は「原則制度」に比べて格段に活用し易くなっています。
適用できるかどうか、ここには書かれていない詳細要件の確認は必要ですが、計画的に事業承継を考えている方にとっては一考に値すると思います。
「特例承継計画」の作成は難しいものではありませんので、5年の期間内にとりあえず作成し提出しておくべきかもしれません。

ただし、「特例制度」ではすべての株式が納税猶予対象となったため、自社株の相続財産に占める割合が高く、一人の後継者に自社株を集中させる場合には他の相続人の遺留分に注意する必要があります。
(民法の遺留分特例である「除外合意※2」等も検討してみる必要があります。)
※2「除外合意」・・・後継者と先代経営者の推定相続人の合意により、特例対象の自社株価額を遺留分算定財産から除外できる

詳細な適用要件等は専門家に確認しましょう。

文 税理士・CFP(R) 西木敏明


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