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「相続時精算課税制度」について

相続時精算課税制度の選択

 当該制度は贈与者・受贈者ごとに選択できます。(図2参照)
 贈与者・受贈者間では、当該制度を選択した年分以降の贈与については、「暦年贈与(図3参照)」への変更はできません




 2500万円の非課税枠は前述のとおり父と子・母と子それぞれ別枠なので、合計5000万円まで子は父母から贈与税なしで財産を受け取ることができます。
 祖父母との間での当該制度も別枠のため、そこまで考慮すればもっと大きな財産移転が可能ですが、代襲相続人以外の孫の場合、相続税の2割加算の対象となることも含めその適用には慎重な検討が必要です。

「相続時精算課税制度の特例」 ~「住宅取得資金の贈与」~

 2021年12月末までに、父母または祖父母から自宅購入資金の贈与を受けた場合には、贈与者(父母等)が60歳未満であっても当該制度を選択することができます。
なお、受贈者は20歳以上であるという要件は変わりません。
 計算上では父母それぞれから2500万円を当該制度で受け取り、「住宅取得資金贈与の特例」の1200万円(省エネ等住宅の場合)の非課税枠と併用すれば6200万円まで自宅取得資金を贈与税なしで受け取ることができます。
 ただし、相続税がかかる方はその対策上、将来評価が下がる財産を当該制度により贈与することは避けるべきです。
 住宅取得資金という現預金ですが、それにより取得する自宅(建物)は将来評価額が下がる(固定資産税評価額での評価となる)財産ですので当該制度を使って自宅の購入資金を贈与するか否か他の方策も考えて検討が必要と考えます。
 なお、当該制度を使わない「住宅取得資金贈与の特例」による贈与自体は、相続開始前3年内の贈与財産もち戻しの対象にならないため積極的に活用すべきでしょう。

では、「相続時精算課税制度」の特例について見ていきましょう。


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