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法人向け「節税保険」の取扱いの改正について

③ 改正前後の比較

 たとえば、改正前に40歳で保険期間30年、年間保険料100万円の定期保険に加入した場合、前述の105ルールで全額経費になります。

 改正後に同じ保険に加入した場合、当初の12年(保険期間の40%)は40%相当の40万円だけが経費となり残りの60万円は資産計上となってしまします(図3参照)。

 生命保険契約に節税効果だけを求めている場合にはこれでは選択肢から外れてしまいます。



④ 適用時期と遡及適用について

 適用時期については、「2019年7月8日(改正通達発遣時)」以後の契約に係る定期保険又は第三分野保険料の保険料に適用する」とありますので、既存契約への遡及適用はありません。

 なお、短期払いの医療保険については10月8日以降となっています。

さいごに

 生命保険契約による節税効果は確かにありますが、保険本来の目的は保障です。

 また、節税保険の解約時に経費(退職金や修繕など)がなければ戻ってきた保険金は利益として法人税の課税対象となってしまい節税の効果が打ち消されてしまいます。
 解約返戻率のピークを外すと保険金の返戻率は大きく下がってしまうこともあります。

 赤字であれば節税効果はなく(欠損金の増額効果はあるが)実質損となる場合もあります。

 節税を考える場合大事なのはキャッシュフローの最大化ですので目先の節税ではなくて中長期のキャッシュフローを考えて活用すべきかどうか考えてください。

 とはいえ、これまでも多くの改正を乗り越えてきた保険業界ですので、新たな保険商品を楽しみにしたいと思います。

詳細な適用要件等は専門家に確認しましょう。

文 税理士・CFP(R) 西木敏明


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