HOME › コラム › 運用関連コラム › 初めての確定拠出年金・商品の選び方

初めての確定拠出年金・商品の選び方

入社した会社が確定拠出年金を導入していたら

新しい会社で新しい生活を始める方も多い新年度。
4月の初旬には新入社員研修を開催する会社も多く、研修カリキュラムの中に確定拠出年金の投資教育の時間をとっている会社もあります。

1〜2時間の説明会の後、
「我が社は確定拠出年金制度を導入しています。つきましては、4月●日までに商品を選んで、運用指図書を提出してください」
と言われるわけですが、さて、加入者はどんなステップを踏んで商品を選べばいいのでしょう。

このコラムでは、商品のグループ分けの方法と今の時節に合った商品の選び方をご紹介していきます。

何年か前から確定拠出年金を運用しているけれど、最初になんとなく選んだ商品のままでほったらかし・・という方も、
新たにiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めようと思われている方にも、ぜひおつき合いいただきたい内容です。

商品の概要を把握するための3つのステップ

合理的に商品選択するためには、加入者は、並べられた商品すべてについて同等量・同水準の知識を持つことが必要です。

といっても、そんなに深い知識はいりません。
仮に、定期預金であれば、1) 銀行に預けるもので 2) 満期になったら元本と利息が返ってきて 3) 利息は金利によって決まる ぐらいの知識をお持ちの方が多いはず。

ラインナップしている他の商品、例えば投資信託についても定期預金に持っているイメージと同水準のイメージを持てるよう情報収集します。

つまり、 1) ●●の市場で運用するもので 2) 値上がりしたら売却して利益を確定するもので 3) 買ったときの価格よりも高く売れたら利益がでる ぐらいの概要をつかむことを目標としましょう。

そのためには次の3つのステップを踏むことがおすすめです。

ステップ1 商品ラインナップにざっと目を通そう

まずはあなたが加入する確定拠出年金プランの商品ラインナップにざっと目を通しましょう。
ラインナップは、元本確保型商品とそうでない商品に大別されています。

元本確保型商品としては、定期預金や保険商品が一般的。
加えて、元本確保が約束されていない商品として、投資信託が10本程度並んでいるプランをよく見かけます。

投資信託は運用市場が明示されているもの。
商品名と対象市場だけを見て商品の特徴がピンとくる方はこのコラムの2ページ目に進んでいただいてOK。

しかし、個別の商品名だけでは、どれが何の商品なのかさっぱりわからない、という方が圧倒的多数派のハズ。
そうした方々は、まずは加入時の投資教育を目的を持って受講することから始めましょう。

ステップ2 加入時の投資教育を目的を持って受講する

新入社員研修のカリキュラムの中に「確定拠出年金の投資教育」というコマがあれば、
目的を、ラインナップ内の商品の性質・特徴を把握することだけに絞って受講してください。

集合研修が開催されず、加入時キットとしてテキストやDVD・eラーニングが用意されているケースもあります。
その場合も、商品の性質・特徴を把握することを最優先に学習・確認しましょう。

多くの投資教育は、短時間の中で制度概要から運用の基本、個別商品の紹介まで幅広い内容を盛り込まねばならず、浅く広く断片的な情報の提供にとどまらざるを得ないのが実情。
選択基準についてまでは、詳しく触れられていないカリキュラムが一般的です。

投資教育を受講したものの結局どれを選んだらいいかわからなかった、という不満を抱く方も多いようですが、

そんなものです! 大丈夫!

1〜2時間程度の加入時の集合研修や通信教育などでは、

1) 元本確保型とそうでない商品の区別がつくこと、
2) 個々の投資信託がどの市場(国内株式・国内債券・海外株式・海外債券)で運用され、
どの指標(日経225・NOMURA-BPI総合・MSCI-KOKUSAI指数 など)や
為替相場(ドル、ユーロ など)と連動・影響を受けやすいか 

の2点が把握できればOKです。

商品内容が確認できたら、次に、リスクリターンのクラス分けをしていきます。

ステップ3 商品のリスクリターン、大きい順にクラス分けをしよう

次に、ラインナップの商品をリスクリターンの大きい順にクラス分けをしていきます。

金融商品でいうところの「リターン」とは、運用結果のこと。
「リスク」とはリターンがどのくらいぶれやすいか・未確定となるか、ということ。

ここでの「リスク」は「危険」という意味ではありません。「危険」と思い込むとそれを回避したくなるのは当たり前の感情ですが、資産運用のためにはあまりにもったいない誤解です。
まずは自分の思考をリセットし、「リスクはリターンの未確定さ」と正しい前提を掲げましょう。

次に大切な前提は、「リスクとリターンは等価交換」ということ。
高いリターンを望むのであれば、リスク(リターンの未確定さ)を多く許容しなければなりません。リターンのぶれ幅、未確定さをできる限り排除するのであれば、リターン(運用の成果)は少ないものとなります。

一般的な確定拠出年金のラインナップで、リスクリターンの高いものを順に並べてみましょう。

まずは、大枠のイメージを持つために、以下の図版で確認してください。



元本確保の定期預金等がもっともローリスクローリターン。

投資信託の中では、「国内債券」がもっともローリスク、次に「海外債券」、その上が「国内株式」、もっともリスクリターンが高いものが「海外株式」の投資信託となるというイメージで、まずはOK。

アクティブはインデックスよりは値動きが大きく、リスクリターンの位置づけも図版の中でインデックスよりも少々高めになります。

国内株式のアクティブを例にとるなら「国内株式インデックス」よりもちょっと上・「海外株式インデックス」のちょっと下ぐらいに見当します。

あなたが加入するプランの商品を、まずはこの図版の中に入れ込んでみてください。
リスクリターンの大きい順にすべての商品を並べ替えた概要図ができあがります。

(注・プランによっては、基本の4指標を組み合わせた投資信託であるバランス型ファンドやREITを採用していますが、これらの商品はまた別のコラムで追記する予定です。まずは上記図版の5分類からスタートしましょう。)

この概要図をもとに、どの商品を選べばいいか考えていきます。

まずは、定番中の定番といえる、定期預金について検討してみましょう。



今、定期預金がおすすめできない理由とは


確定拠出年金加入者向け継続教育のご案内はこちら


このページの先頭へ