自信過剰バイアスに注意 (行動ファイナンス その2)
2008年終わりから2012年までの4年間、日経平均は10,000円前後をいったりきたりする低迷期でした。
同じ頃のドルは1$100円〜80円の水準で、やはりドルが安い時期が長く続いていました。
アベノミクスと日銀黒田砲のおかげで、2015年に日経平均は20,000円、ドルは1$120円に回復。
このころに投資信託を売却、利益確定した加入者には、資産が2倍近くに増えた方も少なくありません。
急にお金持ちになった気分!
日経平均が20,000円をキープしていたころは、ちょっとしたバブル的高揚感がありました。
国内株も国内債券もドルもユーロも高値をキープ。ダイレクトに資金移動するには高すぎる水準でしたから、ひとまずは定期預金に利益確定した資金を仮置きすることが自然な流れでした。
「なんだか急にお金持ちになった気分」とおっしゃる加入者がたくさんいらっしゃったものです。
ところがこのころの定期預金金利は、商品設定以来の低金利。1年定期で0.025%、5年定期で0.05%でした。
ほとんど増えない定期預金にお金がジャブジャブしている状態です。
そうなると、何か他の商品に移したほうがいいのではないか、積極的に投資したほうがいいのではないかと思うのも無理はありません。
なんといっても運用に成功した実績がありますから、運用に対するモチベーションは高く、なんだかうまくいきそうな自己効力感があります。
それってバイアス?
筆者の経験では、大きく利益確定した直後に勢いで購入した商品の成績は、かんばしくなかったことがよくあります。
筆者の周囲で長期投資をしている知人たちからも同様の話はよく耳にします。
運用に成功した実績・経験があり、投資を始めたころに比べたら知識だってある。
こうしたときに生まれやすいのが、「自信過剰バイアス」なのです。
誰もがおちいる自信過剰バイアス
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