短期間の利益確定の相場感(3)
日経225のインデックス投信・1年単位の利益率の相場は
では、1年単位で売買した場合の利益率相場を確認しましょう。
下図表をご覧ください。
上段「(高値3月/安値3月)-1=」が、当該期間のうち、もっとも安値であった基準価額の3月で購入し、もっとも高値の3月で売却した場合の利益率。
下段「(高値3月/全期間)-1=」が、当該期間の全期間にわたり毎月購入し、もっとも高値の3月で売却した場合の利益率です。
3年単位での試算と同じく、下段「(高値3月/全期間)-1=」の、青字の期間を除外した期間を中心にご覧いただくとよいでしょう。
下は約5%から上は約15%をつけた年もありますが、単純平均・特殊年除外平均は以下のとおりです。
特殊年を除外し、かつ「(高値3月/全期間)-1=」の平均値をとると、8.56%。
1年の短期では、8%程度の利益がとれるなら売却の相場と見てよさそうです。
短期で訪れた高値圏には相応の評価を
検証の結果、3年程度の期間で高値圏が来たときは、18%程度の利益が確保できるなら売却の相場と考えてよいと思います。
1年程度であれば、8%程度の利益率。
月額掛金10,000円で3年間購入したら、元金は36万円。18%の利益率では、64,800円。
1年間では、元金は12万円。8%の利益率では、9,600円。
3年はまだしも、1年で9,600円の利益となると、無理して売却しなくてよいのでは、と思いがちですね。
運用期間が15年以上ある方は、もうしばらく掛金を積み上げて次の高値圏を待っても良いかもしれません。
運用期間が短い方で、手じまいの時期を模索している方は、この利益率相場を参考にしていただいて売却の是非を決断いただければと思います。
・長期運用の基本方針とはいえ、短期トレンドに乗ることを考えたほうが良いときもある。
・短期トレンドになれぱなるほど、利益率は低くなるのが常道。深追いは禁物です。
今回は日経225インデックスで検証してみましたが、おって、日本債券インデックス、海外株式インデックス、海外債券インデックスでも同様に試算してみようと思っています。
文 FP 西木雅子